下ノ川原ニ居リマス

名ばかり事務所「オフィス カッケン」から、身の回りのこと、いきもののことなどをメモしてゆきます。

裏山整備考

子供の頃からの漠然とした夢のひとつが「自分の山を持つ」ことだった。夢と呼べるほど明確でなかったそれは、森林のことを少し勉強した学生時代を経て「自分好みの植生をつくる」とやや具体性を帯びた。

僕はいわゆる、針葉樹林を”保水力が弱い”だの”花粉症が”だのと目の敵にして広葉樹林を礼賛する層の人間ではないつもりだが、それでも好みとして、落葉広葉樹林を中心とした高木林が好きだ。

今の暮らしを始めて、大家さんから広い敷地の家を借りるだけでなく、「裏山でも好きに遊んでいいよ」とありがたいお言葉をいただいた。なんということだ、自分の所有ではないものの、夢のひとつが叶ってしまった。田舎暮らしをしたくて越してきたわけではないのに、こんなに上手くいっていいものだろうか。

 

ともかく、山の様子を見てみることにした。引越し後、何度か案内してもらったり自分で散策していたりするうち、いくつかのことがわかった。

  • 家の裏山はスギ植林地で、直径30~40cmクラスのものが多いこと
  • 勾配の比較的緩やかな家に近いところでは間伐も入っているが、斜面上部では枝払い等もしばらく行われていないようであること
  • 小さな沢形が何本もあって、谷のひとつを辿ると植林地を抜けて広葉樹林に入ること。主な高木はトチノキであること。沢筋にはトチノキの実生が多く発芽しているが、幼木はあまり多くなさそうであること
  • その他の広葉樹はサワグルミ、ブナ等。低木層はまるでわからないが、ツバキ、ヒメアオキが目立つこと
  • モウソウチクの林もあるが、あまり手入れはされておらず、数年前に大規模に伐り倒しており、林縁部はこれら伐竹(というのか?)で非常に歩きづらくなっていること

いちおう借家住まいであるし、あまり大規模に手を入れるわけにも、自力でできるわけでもないので、取り急ぎ以下のような目標を立ててみた。

目標:小さな娘が長靴で危なげなく歩ける・遊べる場所をつくるために、家の裏手のスギ林をきれいにする

  • すぐアクセスできる家の裏手のスギ密度が小さいので、倒されたままになっている竹を運び出す。スギの葉を少し除けて、周囲から広葉樹稚樹を移植する。
  • 竹林でも林床を整理し、来年以降のモウソウ掘りをやりやすくする。

以上、人力でできる範囲となると、とりあえず「林床を片付ける」ところから始める必要がありそうだ。中長期的な話も考えていきたいけれど、いきなりチェーンソーを振るってスギを伐り倒していくわけにもいかないし、まずは手近なところからはじめてみたい。

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