下ノ川原ニ居リマス

名ばかり事務所「オフィス カッケン」から、身の回りのこと、いきもののことなどをメモしてゆきます。

山と里との間には

とても暑かった8月上旬の週末。
所属する猟友会支部の方と一緒に、鳥獣被害防止対策として農業被害の聞き取り、見回りを行ってきた。各地区毎に担当者と実施日が分かれており、猟友会員が一日がかりで担当地区をぐるぐるとパトロールする。
気を付けなければいけないのは、これはあくまで「自治体が猟友会に委託した事業」であり、通常猟期の狩猟とは目的からしてまったく異なるものだ、ということだ。鉄砲担いでうろうろする、という点では似ているけれど、主体が行政か狩猟者かという点の違いは大きい。
実際のところ、中大型鳥獣の対応が警察や自衛隊マターではなく、また対応できる組織・人材資源が事実上猟友会しか存在しない以上、半ばボランティアのようなかたちで依存せざるを得ないのだろうとは思う。昨今は環境省主導で狩猟者を増やそうとか規制緩和して鳥獣対策を民間企業に行わせようという動きが活発だが、狩猟者自体が減少し技術継承が危ぶまれる中、それもどこまで可能だろうか。

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さて。
僕が今の町に越してきて2年目。昨冬は狩猟に出てはみたものの、鳥獣被害防止対策のメンバーに加えてもらったのは今年からで、夏に鉄砲を持って外出すること自体が初めての経験だ。
同行させていただいた方は経験豊富で、猟友会の立ち位置や心構えなどを教えてくださったのだが、自治体主体の被害対策に対する認識が僕とそう変わらず安心して話を聞くことができた。
この数年来、自分の学習テーマのひとつが「人間と動物の関係性」で、獣害はそれに密接にかかわってくるものだ。まだまだ勉強中だけれど、学んだことを現場で活かすことができる喜びはとても大きいと知っているので、もっと頑張りたいと思う。


(パトロールの実態や鳥獣の話は、その指定されている種などから地域性がかなり高い情報なのでここでは伏せることとする)