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下ノ川原ニ居リマス

名ばかり事務所「オフィス カッケン」から、身の回りのこと、いきもののことなどをメモしてゆきます。

山と里との間には

とても暑かった8月上旬の週末。
所属する猟友会支部の方と一緒に、鳥獣被害防止対策として農業被害の聞き取り、見回りを行ってきた。各地区毎に担当者と実施日が分かれており、猟友会員が一日がかりで担当地区をぐるぐるとパトロールする。
気を付けなければいけないのは、これはあくまで「自治体が猟友会に委託した事業」であり、通常猟期の狩猟とは目的からしてまったく異なるものだ、ということだ。鉄砲担いでうろうろする、という点では似ているけれど、主体が行政か狩猟者かという点の違いは大きい。
実際のところ、中大型鳥獣の対応が警察や自衛隊マターではなく、また対応できる組織・人材資源が事実上猟友会しか存在しない以上、半ばボランティアのようなかたちで依存せざるを得ないのだろうとは思う。昨今は環境省主導で狩猟者を増やそうとか規制緩和して鳥獣対策を民間企業に行わせようという動きが活発だが、狩猟者自体が減少し技術継承が危ぶまれる中、それもどこまで可能だろうか。

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さて。
僕が今の町に越してきて2年目。昨冬は狩猟に出てはみたものの、鳥獣被害防止対策のメンバーに加えてもらったのは今年からで、夏に鉄砲を持って外出すること自体が初めての経験だ。
同行させていただいた方は経験豊富で、猟友会の立ち位置や心構えなどを教えてくださったのだが、自治体主体の被害対策に対する認識が僕とそう変わらず安心して話を聞くことができた。
この数年来、自分の学習テーマのひとつが「人間と動物の関係性」で、獣害はそれに密接にかかわってくるものだ。まだまだ勉強中だけれど、学んだことを現場で活かすことができる喜びはとても大きいと知っているので、もっと頑張りたいと思う。


(パトロールの実態や鳥獣の話は、その指定されている種などから地域性がかなり高い情報なのでここでは伏せることとする)

鶴岡市茅原でのクマ出没に関するメモ

2016.05.17朝、鶴岡市茅原にクマ出没とのニュースがありました。

鶴岡市北部の市街地でクマ目撃 県立こころの医療センター近く
17日午前6時45分ごろ、鶴岡市茅原にある県立こころの医療センターで、施設脇の道路を歩くクマ1頭が目撃された。人や建物への被害はない。

鶴岡署によると、クマの体長は約1メートルで成獣とみられる。同センター内の畑や近くの工事現場に複数の足跡があった。正午現在見つかっておらず、同署員や地元猟友会などが約50人態勢で捜索している。

現場は鶴岡市北部の市街地で、近くに住宅や商業施設が立ち並ぶ。鶴岡二中から北に約1.5キロ。
(2016.05.17 12:20最終更新)

yamagata-np.jp


目撃した山形県立こころの医療センターの職員さんにより、詳しい状況がブログにまとめられています。

cocoro-mc.jp

cocoro-mc.jp

cocoro-mc.jp


時系列でまとめると、こんな感じ。
6:45 夜勤職員により、こころの医療センター敷地内にて目撃

山形県警、消防、鶴岡市職員、猟友会メンバーらによる50名体制での捜索

12:34 捜索隊により、青龍寺川周辺で発見。捕獲(駆除)される
殺されてしまったクマにはかわいそうなことをしましたが、怪我人がでなくてよかったと思います。

どこから来たのか

現場は鶴岡市街地北部で、国道・県道に挟まれた土地。ヤマダ電機やホームセンター等、大型店舗が立ち並んでいます。道路から少しはずれるとすぐ田んぼが広がっているとはいえ、市街地といって差し支えないでしょう。

鶴岡市北部は庄内平野の中心部に位置し、周囲は市街地と田んぼが多い平野部です。

鶴岡市内でツキノワグマの出没が話題になるのは、市内南部の朝日地区や東部の羽黒地区など山林と接している箇所のことが多いのですが、今回は市街地での目撃だったこともあり、大きく取り上げられることとなりました。
このクマはどこから来たのでしょう?山間部からはかなり距離があります。

朝日・羽黒方面、金峰山に連なる山間部からも離れているし、いくら夜間の移動とはいえ田んぼを突っ切ってくるとも考えにくいです。
とすると、赤川河川敷沿いに朝日方面(上流方向)から移動してきた可能性があるのでは、と考えられます。これならば人目につかず茅原までアクセスが可能です。

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また再発見された青龍寺川は、こころの医療センター西側を南北に流れる川です。赤川ほどの規模はなく、川沿いの河畔林も乏しい環境です。

(詳細な発見箇所の報告がないため、近隣の青龍寺川の状況)

クマの出没と今後

鶴岡市において、市街地への出没は頻繁に起こるものではありませんでしたが、今後こういった個体が再び現れないとも限りません。
今回捕獲されたクマは体長1.2mのオスだったとのことです。クマの挙動は季節によっても大きく変化します。出没のニュースが流れた場合、近隣の河畔林等樹林部のほか、人家の庭などにも潜む可能性があります。充分注意しましょう。

2015.05.18追記 新聞報道より

5/18付山形新聞朝刊に捕獲箇所(「駆除現場」との表記)が記載されていました。
「同センターより西に400m離れた青龍寺川河川敷」とのことなので、このあたりでしょうか。

その他、山形新聞では

  • 探索に際しては周囲の状況から、青龍寺川に狙いを絞って探した
  • 散弾銃を放った猟友会鶴岡市部の男性「クマは河川敷を走ったり泳いだりしていた。肉付きから飢えているようには見えなかった。赤川や青龍寺川といった川伝いに迷い込んできた可能性がある」
  • 鶴岡市の市街地にクマが出没したことは50年以上ない(同支部による)

といったコメントが掲載されています。

また同日の荘内日報ではこのニュースを一面で取り上げ、鶴岡市農政課のコメントとして

  • 「今年はブナが凶作とされ、クマが里に下りてくることが警戒される。山際では目撃情報が寄せられるが、市街地周辺までとなると近年ない」

と紹介しています。また捕獲されたクマの写真を掲載しています。