下ノ川原ニ居リマス

名ばかり事務所「オフィス カッケン」から、身の回りのこと、いきもののことなどをメモしてゆきます。

レッド・リヴァー、ブラック・カッケン

町中を貫流するアカ川で、子供向けの川遊びイベントがあった。手伝ってくれとの声がかかってからいそいそと準備を進めた。
僕の川遊び時の装備は、セパレートタイプの安物ウェットスーツ、鮎足袋、度入りの水中メガネを基本スタイルとしているのだけれど、特にウェットスーツは買った10年前から体型がやや変化し(歪曲表現)ていることを踏まえ、膝丈のネオプレンパンツ、長袖のラッシュガードを新調した。それに、自分でアイロンプリントしたダサい白いドライTシャツを合わせた。完璧だ。デザインが決定的にダサいのには理由があるが、ここでは割愛する。
f:id:kawarani:20150803210153j:plain:w400


楽しみにしていた理由のひとつ、そして僕がこの町に移住した理由の観念的で大きな理由が、川があたたかいことだった。北海道の川は夏でも水温が低く、子供らを遊ばせていても、泳ぐのは1時間半が限度だ。こちらは朝から夕方まででも浸かっていられる。
移住者の方とお話する際、「どうしてこの町に?」という質問をされることがある。僕は上記の理由をまず話すのだけれど、その感想として「詩的ですね」とかなんとか言っていただいたことがあって、万人に説明しやすい理由ではないのかもしれない、とそのとき改めて気づかされたのだった。
f:id:kawarani:20150803210556j:plain


イベント自体は盛況に終わり、僕自身もさんざん楽しませていただいた。日焼け対策をまるでしていなかったので、膝から踝までと、首から上が真っ赤になってしまい、ふくらはぎおよび膝裏、頭皮がひりひりしている。眠れないほどではないけれど、スラックスが擦れて痛い。次回の課題とする。
川原で、ずっと使っていた一眼レフ用レンズ(SIGMA 18-50mm f2.0 MACRO)が壊れてしまったのが残念。イベントとは関係ないが、記録として。

がまがえるを飼っています

七月は大分ごたごたしていて、あまり生活と向き合うこともできなかったのだが、我が家では六月の末に大きな変化が起きていた。
f:id:kawarani:20150726225501j:plain


暑い夜だった。その夜は雨上がりにも関わらず、0時を過ぎる頃になっても気温が下がらなかった。27,8度近くはあったのではなかったか。飲み会(といってもその日は酒は飲まなかった)帰りの金曜日。路上には、田んぼから出てきたアマガエルがそこかしこに潰れていた。多いところでは1㎡あたり10尾程度にもなるだろうか、とてもハンドリングでかわし切れるものではなく、やむなくいくらかを轢きながら家路を辿った。
と、対向車線に塊が見えた。よくロードキルが起きている場所なので、タヌキかハクビシンの小さいのか……と思いながら横を通り過ぎようとした僕だったが、僕の目は、それが死骸などではなく、ジャンプして移動するのを捉えていた。
――ヒキガエルだ!
ブレーキを踏み、カメラを持って駆け寄る。びとん、びとんと移動しながら山のほうに向かう奴に何度かフラッシュを焚いた後、車にビニール袋を取りに戻った。
f:id:kawarani:20150726225551j:plain


捕まえるのを躊躇わなかった理由はいくつかある。
ひとつは、家の近くで鳴き声を確認してはいたものの、まだ実物を見たことがなかったので、ちゃんと観察してみたかったこと。
ひとつは、妻が両生類飼育をしたがっていて、おそらくヒキガエルが適しているであろうと飼育方法を調べておいていたこと。
この邂逅は実際渡りに船であったのだ。
f:id:kawarani:20150726225648j:plain


ヒキガエル。国内分布上、やまがた県ではアズマヒキガエルに分類され、いわゆる「がまがえる」だ。このあたりでは「ふぐだらびっき」と呼ぶようで、ちょっと検索してみると、東北で「ふぐだびっき」「ふくだびっき」など地方名に若干のブレがあるらしい。試しに職場のひとに聞いてみると、「びっき」を指す言葉はヒキガエルであったりトノサマガエルであったり、と地方によって差があるようだ。



我が家に来て一ヶ月、餌は庭でバッタ類を採って与えている。カルシウム等が不足するとのことで、練り餌も試してみたいけれど、それは追い追い。サワガニが池の脇の側溝にいたので与えてみたら、しばらくにらみ合った後に食べた。舌を伸ばすと命中率が悪いのか、最後は顔全体で捕らえにいくように食いつくのが面白い。
f:id:kawarani:20150726225637j:plain


飼育環境としては、横1m程度の衣装ケースのフタを切り、金網を張ったものに、庭土を敷いて水場、隠れ家の瓦を設置したものを用意した。
f:id:kawarani:20150726225610j:plain
f:id:kawarani:20150726225619j:plain



夜になるとケース内を動き回るベタン、ベタンという音が聞こえる。雨でバッタを与える量が減ると結構体格に影響が出るらしくすぐ痩せてしまうので、なるべく多めに与えてあげたいなとは思う。
現在の不満点は、ケージが半透明で真横から撮影できないことだ。そのうち改善したい。
取り急ぎ、一ヶ月時点の現状報告まで。